2010年8月9日月曜日

書評ありがとうございます。

元兼 正浩 著
管理能力とは 各章節に助言

次世代スクールリーダーの条件  副校長、主幹・指導教諭など、新しい職の設置。「鍋ぶた型」といわれた学校内部の組織体制の見直しは、各地で進むだろう。新しい職の設置は、学校の組織を トップ・ヘビー(頭でっかち)にすることではない。学校を組織的に機能させ、経営と実践を高めるためのもの。「何のためにこの職に就いたか」「何のために 着任したか」のプレゼンス(存在理由)の自問・自覚から、事は始まるはずだ。
加えて、教員の年齢構成の現状は、やがて管理職不足を生む。教育界 は、次世代のスクールリーダーの育成が喫緊の課題となっている。本書は、広くスクールリーダーに期待される役割、備えておく資質・能力、スキルについて目 配りした一冊だ。著者(九州大学大学院准教授)は、スクールマネジメントの研究者として広く知られる人。本書の各章節に付け加えられた「管理職の力量を高 めるワンポイントアドバイス」からも、幾つも具体的に気付かせられることがある。
「専門家としての教師に期待しよう」(37ページ)は、民間人校長やゲストティーチャーに過剰に期待しがちな現在への警鐘と見る。また、これら人材の生かし方には教師の力量がかかわるとなると、教師のマネジメント能力に目は向く。これは一例、考えさせられつつ読む本だ。
(1700円 ぎょうせい)
(飯田 稔・千葉経済大学短期大学部名誉教授)

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